石川です。
今回は過去記事ピックアップ。
「アンピン物語。。。」2008年9月4日 ~5日
おいらは安全ピンの「アンピー」だい。
いつもいろいろなものを仲良くくっつけてるんだよー。
おいらは今回社交ダンスの競技会に来ているぞぉ。
受付には仲間がいっぱい。
「はい、背番号、安全ピンも持っていってね」
(誰か早くおいらを持っていかないかなー)
「はい、背番号1番ですね」「おっ、ラッキー!」
(よし、おいらをつかんだゾ!)
準備、準備、早くおいらを使ってくれー。
パートナーさんが付け爪を付けようとしています。
「あら、この接着剤、開いてないわ、アンピン使って良い?」
(よしよし、おいら、なんでもするぜ!)
「よいしょ、あっ!吹き出てきたー」
(あちゃー、力入れすぎだってー、パワフルなパートナーさんだなー)
「さて、燕尾に着替えようかな、背番号付けてくれる?」
(待ってましたー!)
(おいおい、パートナーさん、深く入れすぎだよ)
(ほらー、下のシャツも一緒にくっついちゃったよ…)
「ほい、ついたよー♪」
(ま、いいかっ)
さて、予選開始!
順調に踊っていたその時です。
「危ない!」ほかの選手と接触。
アンピーにおもいっきりぶつかりました。
(ウーダメだー、こらえきれないー!)
アンピーは外れてしまいました。
背番号はピラピラ、めくれてしまい見にくくなっっちゃった。
(すまねー、おいらがもっとしっかりしていれば…)
なんとか予選を踊りきり戻ってきました。
「あれ、背番号外れてるよ」
「さっきぶつかった時かな?」
燕尾を脱ごうとしたら、「アレッ、脱げない?」
中のシャツと一緒にくっついていたからでしたー。
「おいおい、またかよー」(よくあるんだね)
「それよりあたし手が痛いんだけど…」
「昨日お庭の手入れしてからなんだよね~」
「どれ、見せてみ・・・これトゲ入ってるよ!」
「えぇ~、取って、取って~」
「ん~、じゃこのアンピンでやってみるか?」
(よし、おいらにまかせときな!)
「まず消毒しなきゃね」ライターを出しました。
(まじ、もっ、もしかして焼くつもり!!)
「シュボッ、ジジジジジ~」
(アチ、アチ、クゥ~、こらえるんだ~!)
「よし、取れた!」
(ふぅぅ~、おいら、頑張ったぜ!)
「しっかり頼むぜ、おまえはいっつもだらしないんだから…グチグチ…」
「もう次始まるよー」
「背番号付けて」「・・・ハーイ」
(あっ、また深すぎるよ、それじゃシャツを超えて…)
「チクッ」「イタタタ!」「…ゴッメ~ン」
(ん、わざとか?)
その後は順調に、決勝まで進みました。
そしてその決勝の途中、「あっ!」
他の選手とまた接触です!
(クッ、今度は外れないゾォ~~!)
なんとかこらえたアンピー、しかしパートナーさんがドレスのすそを踏んでしまい、
「ビリッ!!」やぶれた!
今は決勝、連続で踊るところ、戻るわけにもいきません。
(よし、これもおいらがなんとかするぜー!)
「安全ピンで止めてみようか?」
曲と曲のあいだに背番号からアンピーを外しドレスを仮止め。
なんとか無事踊りきる事が出来ました。
そして結果発表!
「優勝、背番号1番!」「ヤッター!!」
アンピーの活躍もあって見事優勝です。
でもアンピーには不安なことがあるのです。
この試合が終わったら、ポイッと捨てられてしまうかもしれないのです。
表彰式が終わり、背番号を外し男性がアンピーを見ています。
(ドキドキ・・・)
「おまえも頑張ったよな、次もよろしく!」
(ヤッター、捨てられずにすんだ、また頑張るぜい!)
アンピーは大切にしまわれたのでした。。。
~おしまい~
※前回の「ラインストーン物語」はこちら!
「ラインストーン物語」←クリック!
それでは、また。。。