羽生結弦「プロ転向」。。。

石川です。

フィギュアスケート選手の羽生結弦が競技者としてのキャリアを終えることを表明しました。今後は競技会には出場せず、プロに転向して理想を追い求める、とのこと。

フィギュアスケート競技において「プロ」と「アマチュア」の違いとは?なぜフィギュアスケートでは「競技会に出場しない=引退」になってしまうのでしょうか?

一般的にプロスポーツ選手とは「興行試合に参加しその成績によって報酬を得て生計の中心とする」ところが、フィギュアスケートでは、いわゆる「興行試合」というものがほとんど行われていない。

競技会は、ISU(国際スケート連盟)を頂点とする各連盟の主催、主管または後援によって開催されており、選手が試合に出場するためには連盟への選手登録が必要となる。

大きな国際試合では順位に応じて賞金も出る(2021年の世界選手権シングル金メダリストで64000ドル)が、テニスやゴルフのプロツアーに比べれば微々たる額だ。

スケーターが1シーズンに参加できる試合数も限られているため、全ての試合で優勝したとしても、その報酬は前段で定義した「プロ」と呼ぶには程遠い。

選手登録が無くても参加できる、いわゆる「オープン試合」もゼロではないが、開催は不定期。競技で充分な収入を得ることは到底かなわない。

少々乱暴な言い方をすれば、フィギュアスケート界においては、五輪を含めほぼ「アマチュアを対象とした競技会」しか行われていないということになる。

どれほど好成績をあげてCMなどの副収入があっても、企業からスポンサードを受けていても、連盟に選手登録した上で競技に出場する以上は「アマチュア」

そして、連盟への登録を解除してアマチュアでは無くなると、今度は「出場できる試合が無い」ということになる訳だ。

一方で選手たちには、フィギュアスケートならではの進路が存在する。ルールにのっとり採点を行って優劣を定める「競技」とは別に、審美的な観点から演技を行いそれを披露する「ショー」がある。

フィギュアスケーターで「プロ」といえば、こういったエンターテイナーとしての専門性を持ち、それを職業とする人を指すのである。

会見で羽生は「引退」の二文字を「好きではない」と述べ、プロのアスリートとしてさらなる進化を遂げたい、と強調した。

審判員の判定を受けられないまま技術力を磨くということは、正解を与えられぬまま道なき道を進むに等しい。それでも「自らの理想を追求したい」と常に挑戦者であり続ける彼らしい幕引きであった。

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フィギアスケートのプロとアマの違いは「選手登録をしているかしていないか」です。お金を稼いでいるかいないかは基本的に関係ありません。

上記アイスショー以外に、コーチ、振付師、解説者、メディア出演等もプロの仕事。アマチュア競技から活躍の舞台を変えただけ、とも言えますね。

フィギュアスケートを続けてさらなるレベルアップを目指すことは今までとなんら変わらぬこと。これからの活躍にも期待しています。

それでは、また。。。

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